平成18年7月発行 国際グラフ 対談
(株式会社トラストデント代表 押味氏 / ゲスト 畑山氏)
畑山氏 新車ディーラーやエンドユーザーなど各方面から高い評価を得ている御社の技術「デントリペア」について教えてください。
押味氏
塗装面に傷のないヘコミをボディーの裏側から専門工具でもみ出すように押し上げることで修復する新世代の自動車外板修理です。
板金塗装工法のようにパテ付けや再塗装を必要とせず、新社時の塗装を生かしたまま素早く修理できます。
もともとはヨーロッパの自動車メーカーが製造過程でできたヘコミを修理するために考案した工法で、雹でダメージを受けた車の修理に適していることからアメリカで普及・発展してきました。
日本に入ってきたのは10年ほど前ですが、板金塗装工法に比べ料金が安く素早い修理が可能なため、気軽に依頼できると各方面の方々から好評を得ています。
また、繊細な技術ですので技術者のノウハウ・経験の差が仕上がりの違いとしてはっきり表れることも大きな特徴です。
畑山氏
代表は2005年のデントリペア世界大会で東洋人として初めて出場し、5位入賞を果たされたとのこと。
その技術力はどのようにして培われたのでしょうか。
押味氏
私は以前父の鉄工所で働いていましたが、職人として新しいことをやりたいと考え28歳の頃からこの技術を学び始めました。
本物を見ないとどこまで突き詰めていけばいいのか分からない部分がありますので、海外へも渡ったのですよ。技術はやはり直しのできない一発勝負の作業で、集中できる環境が非常に大切です。
そこで常に世界最高レベルの仕上がりを提供できるように出張業務は業者様に限定させて頂いており、出張先の環境が悪ければお断りすることもあります。けれどもそのこだわりのお陰かこれまでクレームは一切頂いていません。
畑山氏 今後の目標を教えてください。
押味氏 日本のデントリペア技術の底上げをしていきたいですね。国内の平均的な技術レベルがデントリペア技術の限界だとお客様から思われては、いずれその普及が滞ってしまいます。そこで私どもから世界レベル水準を発信していければと。
畑山氏 計画中のスクール設立もその一環と。
押味氏 ええ、日本にいながら海外と同じ高い水準の技術を学べる環境を提供したいと考えています。そのためには私自身も常に最新の情報を受け取りながら勉強を続け、多くの方にノウハウを伝えていくことが1つの義務になりますね。
畑山氏 ますますご活躍ください。